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新春神楽2012感想

あけましておめでとうございます!
というわけで去年は行けなかった
グリーンアリーナで毎年行われている新春神楽へ行って参りました。

本当は三が日帰省でなければ
1日は厳島神社に初もうでに行って
その足で岩国へ行って吉川鉄砲隊の撃ち初めを見たかったんですが
まあそれは来年ということで!!

午前11時から4時くらいまでぶっ通しで
見ていたんですがいやあすごく良かった!!

まず土蜘蛛ですが
今までと話がちょっと違っていて面白かったです。
普通は源頼光の侍女に化けた胡蝶が
一族の恨みを晴らさんと頼光に毒薬を渡すのですが
ここの神楽団さんは典薬守が使いに出された胡蝶に
取って変わって頼光に迫るという筋でした。
というかここの神楽団さんは優しくて
後半の滝夜叉姫の演目も姫は許されて鬼の部分だけを調伏し、
一族の菩提を弔えと討伐されないお話で舞われていました。
ああ、そうか!そういうのもあるんだ!!
と目からウロコでした。
なんというか鬼になったら即成敗!
というイメージが強かったのでハッピーエンドがあるんだと
本当に驚きました。
土蜘蛛の糸も今回はめでたく赤と白を使われていて
演出も良かったです。

次に2つ目の神楽団さんですが
トークが面白かったです。
演目も前半は倭建尊、
後半は道成寺とみた事がなかった演目で
こんなお話なんだと魅入っておりました。
倭武尊は大蝦夷と蝦夷の会話が楽しかったです。
八岐大蛇で言うテナヅチ・アシナヅチの役所で
ボケとツッコミを如何にするかが大切な役でした。
この蝦夷漫才ですが、前半まで口調が候文だったのが
いきなり広島弁のおっちゃんになっただけで
もうすでに噴き出してしまって笑いっぱなしでした。
この2人はヤマトタケルが来ると知ってどがいにかせにゃあならんと
策を練るんですが、かたっぽは乗り気でなく
「わしゃあもう帰りたい。」
と散々逃げようとし、それを相方が引きとめるんですが
「よっしゃ!じゃあ考えたけえ!」
と急に真面目な声で
「然間国を離れ、暫し身を隠さんとすべし」
と候文でかっこよくきめたんですが
すかさず相方が
「アンタ~、そりゃかっこよく言うとるが
 ようは国を捨てて逃げるゆうことじゃろ!
 それじゃあいけんのんじゃって!!」
とバシッと決めてくれて爆笑しました。
で結局草薙ぎの剣の由来のアレに繋がるんですが
この2人、倒されてしまうんですよね・・・。
日本は大和中心に開かれていった国ですが、
そこには土蜘蛛や蝦夷のように追いやられてしまった一族も
いたんだなとしみじみと思いました。
ここの神楽団は後半の道成寺の船頭も面白かったです。
志村けんのコント見ているみたいで腹抱えて笑いました。
船が真っ二つになって
それで僧・安珍と船頭が船に乗ってるはずなのに
別れちゃくっつき、別れちゃくっつきで
単純なことなのに笑えました。
最後の清姫のところはオロチ舞いと同じで
等身大の鐘に巻きつくんですが、歌舞伎っぽかったです。
っていうか歌舞伎の題材ですが、
神楽アレンジ面白かったです。
しかし、この主人公の安珍ぶち許せん!
気がないんならちゃんと断りんさいや!!
清姫行きんさい!そいつは女の敵じゃけぇ!
とばかりに鬼を応援したんですが
最後に清姫が泣きながら幕間に消えていき
胸の中がもやっとするなあと思いました。
と思っていたら最後に幕が開いて
安珍がこの世では結ばれなかったがこの寺の訓戒に沿って
次は一緒に添い遂げようと終わったので
「よし!安珍、貴様を許しちゃろう!」
と少しすっきりしました。
西方浄土と妻宝浄土のかけ言葉もぴったりだなあと思いました。

その次に三番目の神楽団を見ました。
前半は悪狐伝(中編)で後半は紅葉狩でした。
この悪狐伝の狐は九尾狐で歴史上の悪女に化けていたとされる狐です。
元は天竺にいたのが日本にも来て天皇をたぶらかし
玉藻の前という名で悪さをして~というのが前半で
今回は中編、狐が都を追われた所からスタートです。
で、寺で一夜の宿を求める狐と和尚の掛け合いがあるんですが
ここもトークが売りです。
あ、でもここの神楽団さんは珍しくイジられキャラが反撃してました。
女人禁制の寺に泊らせる事はできないと和尚は断るんですが
嘘寝をした時に、玉藻前が
「寝んなや!」
と和尚の頭をタイミングよく叩きました。
うわあ玉藻前がツッコンだああ!
と爆笑したんですが、この玉藻前ツッコミ上手かったです。
あと子どもらの野次もぶちうけました。
多分、彼らは野次だと思っておらず
人形劇とか紙芝居にツッコム感覚で言ったんだと思うんですが・・・。
正体を現した狐に子どもらが一斉に
「うしろ!うしろ!」
と必死になって和尚さんに教えると
和尚が「はあ何もおらんで~」ととぼけ、
子どもらはますます必死に「うしろ」コールをしました。
そのうち一人の子(推定三歳ぐらい)が大声で
「うしろみんさいやぁ!!」
と声を張り上げたんですが、もうそれにも爆笑してしました。
あと子どもらが和尚さんに何とか必死に狐のことを言おうとするんですが
その答えがトンチンカンで
「ねずみがおる!!」
「熊がおる!人が熊の皮かぶっとんの!」
「ババア!ババアじゃけえそれ!」
とてんで好き勝手に叫んでました。
いやあ鼠はないよ。熊でもないねえ。
っていうかあんな人おったらヒバごんじゃろそれ。
まあババアはあっとるかな、千歳以上じゃし。
と心の中でつっこんでました。
でよく知っている子が
「あっこ!あっこ!」
と叫ぶんですが、思わず「アッコにおまかせ」の
アッコを思い出して吹き出してしまいました。
いやアクセントがまんまなんです。
いやあ和田さんがあれだったら・・・。
まあそんあこんなでアッコは退治されめでたしめでたしでした。
後半の紅葉狩は鬼から美女への変化がすごくて
ほんとうにぱっと振り向いたら鬼の面が消えて
美女の顔になっているのですごいの一言でした。
舞いも四人での切り合いがあり
くるくるも上手かったです。

総評としては一番目の神楽は正統派
二番目は皆楽しいのが一番!
三番目は面白さも熱演も
という感じでそれぞれの個性があるんだなと思いました。
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あけましておめでとうございます!

新年明けましておめでとうございます!
いつも閲覧と感想をありがとうございます!

毎回記事を書いた時にどんな御意見を頂けるかなと
わくわくしています。
あっちこっちへ興味が移ってしまいますが
春霞集を訳すのは本当に面白くて
機会を与えて下さった藍様には本当に感謝しております。

神楽ですが、本当に面白いです!
私の好きなのは新舞なのですが神代からある伝説も
結構県北には眠っているので日本書紀や古事記もまた
読んでみたいなと思いました。

今年もよろしくお願いいたします!

A HAPPY NEW YEAR!

新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年は和歌の話題がきっかけでトロロヅキ様とお知り合いになれて、こんな素敵なブログを知ることが出来て本当に嬉しかったです。
今年もいろいろな話題の記事、楽しみにしています!

神楽は私はまだ一度も見たことがないのですが、トロロヅキ様の描写が面白くて新年早々記事に見入ってしまいました。
特に子供たちの微笑ましい突っ込みが良かったです。

今年がトロロヅキ様にとって良い年になりますように。         
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トロロヅキ

Author:トロロヅキ
主に毛利元就から浅野長勲までの安芸の歴史に関するブログです。初めての方は目次へどうぞ。

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